音楽葬とは
音楽葬とは、どのようなものでしょうか。
聞いたことがあるでしょうが、実際に体験したことがないとどのようなものかはわかりにくいものです。
音楽葬は、葬儀の演出として音楽を取り入れる無宗教の葬儀のことを言います。
音楽を好きだった人、音楽の仕事をしていた人等が取り入れることが多いでしょう。
音楽の形式は、クラシック、ジャズ、ポップス等、故人が好きだったものを取り入れる場合が多いです。
式の流れを見てみよう
音楽葬は、主に無宗教葬儀として執り行われる式ですから、僧侶や神父のような宗教者の参加はありませんし、仏式、キリスト教式で行う宗教儀礼もありません。
しかし、式次第の全体的な流れは一般的な葬儀とあまり変わらず、 葬儀の前には通夜も営まれることになっています。
音楽葬の式次第となりますと、大体は以下の通りです
まずは事前演奏で、葬儀の開式の準備や参列者が着席し式を待つまでの間に心を和ませるような演奏が行われる場合があります。
次は遺族入場になり、開式の辞となり、黙とうです。
献葬および故人の人生や家族との思い出の紹介がありますが、その際、故人の最も好きだった曲を演奏し、故人を紹介する際のBGMとして曲が流れることもあります。
次に別れの言葉、弔電披露で故人へのお別れの言葉、弔電を読み上げる際もBGM の演奏は続き、さらに献花・焼香で花を供えたり、焼香をあげたりする際にもBGMとして演奏が続くのです。
そして、喪主挨拶、閉式の辞があり、後奏、出棺になります。
この時も故人を出棺し、参列者が会場から立ち去られるまでBGMが演奏されるのです。
どんな曲が流されるか
音楽葬では、クラシックを流すことが多いでしょう。
その理由としては、故人が好きだったということもあるでしょうし、無宗教葬儀の演出のひとつとして、厳かな雰囲気を出したいということも考えられます。
クラシック音楽なら、そのコンセプトからお葬式の雰囲気にも馴染みますし、初めて音楽葬に参列する人にとっても心地よい響きになり、安心感を与えるのでしょう。
クラシックでは以下の曲がよく選ばれています。
シューベルトの「アヴェ・マリア」、ショパンの「別れの曲」、バッハの「G線上のアリア」、パッヘルベルの「カノン」、ヘンデルの「オンブラ・マイ・フ」、モーツァルトの「レクイエム」、ラヴェルの「亡き王女のためのパヴァーヌ」です。
シューベルトの「アヴェ・マリア」はその名のとおり、マリア様への愛を歌った曲ですから、静かな雰囲気の美しい曲、ショパンの「別れの曲」はその名の通り、哀愁漂う美しい曲、パッヘルベルの「カノン」は優美なバロックの旋律が心を落ち着かせてくれるでしょう。
ヘンデルの「オンブラ・マイ・フ」はゆったりとした木陰を思わせるような曲、モーツァルトの「レクイエム」はその名の通り、死者の魂を慰める曲、ラヴェルの「亡き王女のためのパヴァーヌ」はクリスタルな響きが美しい曲です。
このように、クラシックの曲は故人を美しい旋律で見送ってくれるでしょう。