葬式の種類や生前整理、お墓の準備と同様必要なのが、不動産の終活です。
もし自分が亡くなったとき、今住んでいる家や所有している土地を誰に相続させるか、事前に決める必要があります。そうした財産整理で節税をすることは極めて大切なことですが、今回は不動産に関しての終活について話を進めていこと思います。
不動産の終活が必要な理由
不動産終活をする最大の理由は、家族の揉め事を避けるためです。
亡くなった人が財産を所有していた場合、配偶者や子どもに相続されますが、その相続がスムーズに行われるか否かは遺言書の存在がカギとなります。
遺言書が作成されていたら、各相続人へ「何をどれだけ渡すか」という、財産の分割方法が確認できます。
相続の流れとして、すべての相続人・財産および借金の確認、財産目録・遺産分割協議書の作成といったさまざまなことが必要になりますが、
遺言書がある場合は、この作業や手続きなどが省けるぶん、相続人は遺言書の内容に従って、財産の分割を進められます。
一方、遺言書がない場合、現状の相続人が何人いるか把握することから始まります。
相続の方法が決定される時期は、相続発生後から3ヶ月以内と決まっているため、その期限内で必要な内容を把握し、書類を作成しなければなりません。
遺言書がないときには、相続人同士で「誰がどの財産を相続するか」決めるための遺産分割協議を行います。
それぞれの相続人は、法定相続分として受け取れる財産の配分が法律で定められていますが、所有不動産や預金の金額によって、偏りが出る場合があります。
被相続人の想いが記された遺言書がない状態で相続すると、不公平だと言う声があがるのも少なくありません。
不動産は分割するのが難しい財産のため、話し合いがまとまらず、揉めてしまう可能性があります。
不動産の終活で揉めないために
まず、一つの方法として挙げられるのが、所有する不動産を売却・断捨離することです。複数の不動産を所有している場合、一部を売却したうえで現金化する方法もあります。
現金化することによって、分割がスムーズに進められるだけでなく、土地やその所有物の維持管理にかかる時間やコストを減らせるメリットも。
もし、底地や再建築不可物件のような処分しにくい土地を所有している人は、専門業者に相談するのがベストです。
売却・断捨離するか迷っている場合は、今所有している不動産について親族で話し合うのも一つの手です。
話し合いに呼ぶ相続人を把握するために、戸籍謄本・除籍謄本・改製原戸籍謄本で確認しましょう。
自宅で集まるのも良いですが、話し合いに集中できるよう貸し会議室などを利用するのがベターです。
このような話し合いが頻繁にできるとは限りません。不動産終活に関する準備をしっかり行ったうえで、本番に臨みましょう。