縁のあった方に参列をお願いするスタイルの葬儀
「一般葬」とは、文字通り最も一般的に行われるスタイルの葬儀のことです。
特徴は故人の生前に縁のあった仕事関係の人や友人関係、近所の人に訃報を伝えて参列をお願いするということです。
日本では一般葬として行われるもののほぼすべては仏葬という仏教式の葬儀ですが、先祖から家で信仰している宗教があった場合にはそちらの方式で行われます。
特に生前に何らかの葬儀についての希望がない場合には仏葬となることが多いようです。
仏葬にもいくつかの宗旨があり「浄土宗」や「浄土真宗」「真言宗」などその地域を管轄するお寺の種類によって葬儀の内容が異なるということもあります。
年配の方なら自分の家がどの宗旨に属するものかをよく知っていることとは思いますが、子供の時に引っ越しをしてほとんどお寺と関わりのない生活を送ってきたという人も増えてきているため、できたら早めに確認をしておいた方がよいかもしれません。
なお葬儀をする場合にはほとんどの人が自宅ではなくどこか専門の施設を使用することと思いますが、葬儀社として営業をされているところは仏葬ならば大抵の宗旨はカバーすることができます。
もしちょっと特殊な宗教に入信していたりする場合には事前に打ち合わせをしておいた方がよいかもしれません。
一般葬を行うまでの大きな流れ
一般葬の場合には、まず病院などで臨終に立会い病院で死亡診断書を発行してもらい遺体をひとまず自宅へ搬送します。
遺体は病院で亡くなった時には施設内の安置室に置かれるので、その時点で依頼をする葬儀社に連絡をして搬送のための手配をしてもらいます。
なおこの遺体の搬送は家族が自由に行ってもよいものとはなっているものの、やはり遺体という特殊性から専用の搬送車を持つ葬儀社に依頼をされるのが一番であると言えるでしょう。
葬儀社に依頼をする場合実際の搬送前に葬儀を依頼するための見積もりなどをとったりするのですが、どうしてもすぐに葬儀社を決められないというときにはとりあえず搬送だけをお願いできる葬儀社を病院から紹介してもらうこともできます。
しかし一般的には搬送を依頼する葬儀社に葬儀本番まで手配をしてもらうようになっています。
どうしても別の葬儀社に依頼をしないと行けない場合にはきちんと丁寧にお断りをしておくようにしましょう。
遺体が自宅に搬送されたら親近者が集まり葬儀のための打ち合わせをするとともに、参列を呼びかける人への連絡を行っていきます。
親類やごく親しい人には電話で最初に訃報だけを伝えてもよいですが、基本的には参列の呼びかけは郵送もしくは手渡しによる書面で行います。
このときのはがきや書面の書式も大抵は葬儀社の方で用意してくれます。
お通夜と告別式の違い
縁のある方へ参列を呼びかけるのは「お通夜」と呼ばれる告別式前日に行われる式です。
お通夜とは本格的なお別れとなる告別式を前に、故人の生前をしのび思い出を振り返るというための行事として位置づけられているので、参列をしていただいた方には「通夜振る舞い」という食事をふるまい、終わったあとには近親者の一部がそのまま会場に宿泊してお線香の番をします。
専用のセレモニーホールなどではあらかじめこの宿泊用の施設も準備されています。
葬儀本番となる告別式では一般弔問客のいない親族のみが立会ます。
終わったあとには葬儀場から火葬場へと搬送され、遺灰の状態になった遺体を桐の箱に入れて自宅に持ち帰ります。