近しい親族のみで行う小さな葬儀
ここ近年一般の方の葬儀方法として多く選ばれているのが「密葬」という小さな形式の葬儀です。
生前に関わりのあった方にできるだけ多く参列を呼びかける一般葬に対し、密葬は葬儀の予定や参列について事前に広く呼びかけることはせず、ごく近しい関係にある親類だけが集まって行います。
よく俳優や政治家などの有名人などが亡くなったときに「通夜・葬儀は近親者のみで行いますので、一般の方のお参りはご遠慮させていただきます」といったメッセージがつくことがありますが、そうしたものも密葬と言われる葬儀をしているということになります。
そこでちょっと気になるのが「近親者」とはどこまでの範囲の人のことを言うかということです。
文字だけで解釈をすると「近い親族」ということになりますが、具体的にはだいたい3等親以内の人のことをさしています。
つまり故人に対して配偶者、両親・子供(1等親)、きょうだい・祖父母・孫(2等親)、曾祖父母・ひまご・甥・姪・おじ・おば(3等親)にあたる人までということになります。
いとこやはとこは含まれないので参列しなくてもよいのか?と思うところですが、そのあたりは故人との親密さで判断をすることになります。
なお血のつながりはなくとも、生前親しくしていた友人や知人がいれば参列を呼びかけられることもあります。
密葬が選ばれるケースもいろいろ
密葬はこれまでは前述したような社会的に名前が知られており一般の参列者をよびかけると規模が大きくなりすぎてしまう場合や、もしくは事件や事故に巻き込まれて亡くなったためあまり大々的に葬儀をしたくないという時に行われてきました。
しかしここ最近ではそうした事情がない病死や老衰であっても、本人の希望により密葬になるというケースが増えてきています。
これは核家族化や高齢による周囲に知り合いの不在といったことも理由ですが、やはり「遺族に経済的負担をかけたくない」ということもあるようです。
あらかじめ葬儀社に連絡をしておき、密葬ではいくらくらいかかるかという見積もりをとっておくことで、自分の葬儀費用として残しておくべき現金の計算もしやすくなります。