基本の仏具
本来仏具の種類や配置は、宗派によって異なります。
また地域によっても、違いがあります。
しかし現代では、特に宗派にこだわらず、基本となる配置を守っていればよいとされています。
仏具の種類はとてもたくさんあるのですが、特に大切なのが御本尊と脇侍、位牌、そして三具足と呼ばれる道具です。
御本尊、脇侍、位牌、三具足
御本尊は宗派によって異なりますが、信仰の対象となる仏像のことをいいます。
浄土宗系の宗派は阿弥陀如来、真言宗は大日如来、天台宗は阿弥陀如来または釈迦如来、曹洞宗と臨済宗は釈迦如来、日蓮宗は大曼荼羅と呼ばれる掛け軸がご本尊となります。
宗派によっては、これと異なる場合もあります。
脇侍はご本尊の左右に控えて、ご本尊を補佐する役割を担っています。
菩薩や○○天、○○明王と呼ばれる人たちが脇侍となります。
家庭の仏壇ではお像ではなく、掛け軸を飾ることも多いですね。
脇侍も宗派によって異なります。
浄土真宗本願寺派はこちらから見て本尊の左側に蓮如聖人像(または、九字名号)、右側に親鸞聖人像(または、十字名号)、真宗大谷派は左側に九字名号、右側に十字名号、浄土宗は左側に法然上人、右側に善導大師となります。
真言宗は左側に不動明王、右側に弘法大師、天台宗は左側に伝教大師、右側に天台大師です。
曹洞宗は左側に常済大師、右側に承陽大師、臨済宗は左側の各派の開山、右側に達磨大師となります。
日蓮宗は左側に大黒天像、右側に鬼子母神です。
こちらもご本尊同様に、宗派によって異なる脇侍を配置することもあります。
詳しくはお家のご住職などにたずねてみましょう。
位牌は亡くなった方の戒名などを記したもので、故人の象徴です。
三具足は香炉、燭台(火立)、花立の三つの仏具のことです。
香炉は線香や抹香を焚くための器で、燭台はろうそくを立てるもの、花立てはお花を飾る器です。
真ん中に香炉、その両端に火立を一組置き、その後方が花立を一組置きます。
三具足に、お供え物のご飯を盛る器の仏飯器、お水やお茶を備えるための茶湯器を加えた五具足を飾っているお家も多いですね。
さらに、お菓子や果物などを備える高月飾る家庭もあります。
リンや、マッチ消しもよく使われます。
三具足や五具足の考え方も宗派や地域よって異なりますが、仏壇仏具のお店で五具足や5点セットとして販売されているのが一般的で、それを購入するとまずは間違いありません。
念のためにお店の人に自分の宗派を伝えて、宗派のしきたりにそった仏具を揃えるのもいいですね。
仏具の配置
お仏壇は段が設けられていて、幾つかの階層に分かれています。
最上段の中央に、御本尊を置きましょう。
そしてその両脇に脇侍を置きます。
その下の段に位牌を置きます。
その下の段には仏飯器と、茶湯器を置きましょう。
高月を置く場合は、仏飯器と茶湯器の両端に置くようにします。
一番下の段に花立、香炉、燭台、リンを置きましょう。
これらの配置も宗派によって細かく異なるので、心配な場合はお店の人やご住職などにたずねてみましょう。